シラカワの取り組み
二本松工場研究開発
砧打螺旋羽二重(きぬたうちらせんはぶたえ)
ジャパン・テキスタイル・コンテスト2022 準グランプリ受賞
福島産地が得意とする軽目羽二重に、これまで衣料には使われなかったスーパー繊維(超高分子量ポリエチレン) をよこ糸にした、しなやかさと超冷感を実現したハイブリッド絹織物が誕生。
川俣町の織物業・斉藤産業とシラカワ二本松工場がそれぞれの培った技を合体させた。
この絹織物を湿らせながら丹精込めて砧打ち (叩き続ける) を繰り返すことで、たて糸がランダムにズレ合い、独特の光沢感と無作為なよろけ柄を表現しました。
砧打ち (きぬたうち) は、 生地を叩くことで織物に柔らかさとツヤ、ヌメリを出す古代技術です。
水溶性繊維の着色技術開発
シラカワ二本松工場は水に溶ける糸(水溶性繊維)に着色する技術を開発。
業界では「ほぼ不可能」とされてきたが試行錯誤を繰り返し定説を破った。水溶性繊維は化学繊維で、衣服やレースを刺繍する際などに使用される。水溶性繊維で織った「基布」と呼ばれる土台の上に刺繍を施し、水か湯に漬けて基布を消す仕組みです。
一方、水溶性繊維は液体内で溶けてしまうために着色が困難とされ、白色の製品に限られるという。着色した水溶性繊維は普及していない衣服のリサイクルを広げる商品と期待されています。(2018年8月8日福島民報社の記事に掲載されました)
釣り糸素材で熱中症対策の超冷感肌着開発へ
釣り糸の製造に使う「超高分子量ポリエチレン(PE)」が持つ、熱を伝えやすい性質に着目。生地にすると体の表面の熱を素早く吸収するため、ナイロンなど一般的な接触冷感素材の約2倍の「ひんやり感」が得られる。
一方、超高分子量PEの釣り糸は伸びにくく、編むのが難しいが、撚り方を工夫して衣料品に最適な糸を作り、連携する福島県ハイテクプラザ福島技術支援センターの協力を得て、通気性のある2枚の編地を積層し、立体的な構造の生地を開発。接触冷感と通気性の両立した素材開発に成功しました。
担当開発者は「超冷感の肌着を提供し、熱中症で倒れる人を減らしたい」との思いから開発にいたりました。(2021年12月24日福島民報社・福島民友社の記事に掲載されました)